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2026年4月、カシューナッツがアレルギー表示の義務対象に

パッケージのアレルギー表示を確認する様子のイラスト

食品のパッケージには、食物アレルギーの原因になる食品(アレルゲン)を書くルールがあります。これが「アレルギー表示」です。2026年4月1日から、カシューナッツはこのアレルギー表示について、「書くことがすすめられている」食品から「必ず書かなければいけない」食品になりました。何が変わったのか、どの食品が対象になるのかを確認していきましょう。[1][2]

この記事でわかること

  • 2026年4月から、カシューナッツのアレルギー表示が「推奨(可能な限り表示する)」から「義務(必ず表示する)」に変わったこと
  • 木の実類が原因となった症例報告の割合が増えている背景と、数字の読み方
  • 「必ず表示する9品目」と「表示がすすめられている20品目」のちがい
  • ばら売り・飲食店・小袋では、どこまで表示義務があるのか

2026年4月、何が変わったの?

ポルくん

カシューナッツって、前から表示されている商品もあったよね?何が変わったの?

タルちゃん

これまでは「可能な限り表示する」だけだったんだ。2026年4月1日からは、法令で「必ず書かないといけない」食品になったんだよ。

ポルくん

じゃあ、これからは全部の商品に書いてあるってこと?

タルちゃん

全部の商品ではないよ。表示義務の対象になるのは、主に容器包装された加工食品などなんだ。それに、2028年3月31日まで経過措置があるため、移行中は改正前と改正後の表示の商品が店頭に混在するよ。

そもそも「アレルギー表示」とは

  • 食物アレルギーの原因になる食品(アレルゲン)を、パッケージに書いて知らせるルールです。
  • 対象になるのは、症状が重くなりやすい食品や、患者さんの多い食品です。国が調査をもとに定期的に見直しています。
  • 書き方には、法令で「必ず書く」と決められたものと、国の通知で「可能な限り表示する」ものの2種類があります。[2]

2026年4月1日から、カシューナッツは「特定原材料に準ずるもの(可能な限り表示)」から「特定原材料(必ず書く表示)」になりました。必ず書かなければいけない品目は、8品目から9品目に増えたことになります。

同じ日に、ピスタチオが新しく「特定原材料に準ずるもの(可能な限り表示)」に加わりました。なお、くるみは2023年3月に、ひと足先に「必ず書く」へ移っています。[1][2][7]

ルールが変わったのは2026年4月1日ですが、お店に並ぶ商品のラベルを、いっせいに切り替えることはできません。そのためカシューナッツの表示には、2028年3月31日まで2年間の準備期間(経過措置)があります。この間は、古いルールの商品と新しいルールの商品が、お店に一緒に並びます。消費者庁は、この期間中もできるだけ早く表示するよう求めています。[5][6]

移行期間の表示の読み方

「カシューナッツ」と書かれていないからといって、入っていないとは限りません。原材料名の欄を最後まで読んで、分からないときは、作った会社やお店にたずねてみましょう。

木の実類のアレルギー表示、こう変わってきました

時期品目表示上の変更
2019年9月アーモンド特定原材料に準ずるもの(推奨表示)に追加
2023年3月くるみ推奨表示から特定原材料(義務表示)へ
2024年3月マカダミアナッツ特定原材料に準ずるもの(推奨表示)に追加
2026年4月カシューナッツ
ピスタチオ
カシューナッツ:推奨表示から義務表示へ
ピスタチオ:推奨表示に追加

表1 木の実類をめぐる主な食品表示の見直し(消費者庁公表資料より)[1][7]

どうして、カシューナッツが表示義務に追加されたの?

健康への被害を防ぐため、消費者庁はおよそ3年ごとに、全国のアレルギー専門の医師へ調査を行っています。対象になるのは「食べてから60分以内に何らかの症状が出て、医療機関を受診した患者さん」です。

2023年の調査で分析した6,033例のうち、木の実類が原因だったのは1,484例(24.6%)でした。内訳は、くるみが916例(全体の15.2%)、カシューナッツが279例(4.6%)、マカダミアナッツが69例(1.1%)、ピスタチオが50例(0.8%)です。さらに、カシューナッツが原因で受診した人のうち37例(13.3%)では、アナフィラキシーショックが報告されています。[3]

全国調査(2023年受診例)結果読み方
解析対象6,033例2023年に受診した報告症例
木の実類1,484例(24.6%)全症例のおよそ4分の1
– くるみ916例(15.2%)木の実類の61.7%
– カシューナッツ279例(4.6%)木の実類の18.8%
– マカダミアナッツ69例(1.1%)木の実類の4.6%
– ピスタチオ50例(0.8%)木の実類の3.4%
カシューナッツでショック37例(症例の13.3%)カシューナッツ症例内の割合

表2 杉崎千鶴子, 髙橋亨平, 佐藤さくら, 柳田紀之, 海老澤元宏. 消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業」令和5(2023)年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果報告. アレルギー. 2025;74(3):167-172. doi:10.15036/arerugi.74.167 から作成。行頭に「–」を付した4品目は「木の実類」の内訳です。

原因食物の中の木の実類で症状を起こした人は牛乳・小麦を抜いて2位になっています。また、その中でも、くるみ・カシューナッツはここ10年で増えてきました。

円グラフ:原因食物の内訳(n=6,033、2023年) / 折れ線グラフ:木の実類の内訳の報告割合の推移(2011〜2023年) いずれも[3]より。

ポルくん

木の実類が24.6%って、100人に25人がアレルギーってこと?

タルちゃん

それは違うんだ。この数字は、全国のアレルギー専門の医師から報告された食物アレルギーの患者さんのなかで、どの食べものが原因だったかの割合だよ。どれくらいの人がアレルギーを持っているかではないんだよ。

ポルくん

ふ〜ん、ナッツ類で症状が出る人が増えてるんだね。

タルちゃん

そう。この調査で報告された症例に占める木の実類の割合は2011年では2.3%が2023年では24.6%に増えているよ。くるみやカシューナッツだけじゃなく、他の品目でも増え続けているんだ。

木の実類全体で見ると、2011年では2.3%が2023年では24.6%に、くるみは1.4%が15.2%に、カシューナッツは0.6%が4.6%に増えました。マカダミアナッツやピスタチオも直近の調査で増えていて、木の実類のいくつもの品目で増加が続いています。[4]

いま、アレルギー表示の対象になっているのは?

アレルギー表示には、法令で「必ず書く」と決められている特定原材料と、国の通知で「書くことがすすめられている」特定原材料に準ずるものの2種類があります。すすめられている20品目は任意表示のため、原材料に使われていても書かれていないことがあります。[2]

区分品目表示
義務表示
特定原材料 9品目
卵、乳、小麦、くるみ、カシューナッツ、ピーナッツ(落花生)、そば、えび、かに義務
推奨表示
特定原材料に準ずるもの 20品目
大豆
ナッツ類:アーモンド、マカダミアナッツ、ピスタチオ
ごま
魚介類:あわび、いか、いくら、さけ、さば
肉類:牛肉、鶏肉、豚肉
果物類:オレンジ、キウイフルーツ、バナナ、もも、りんご
やまいも
ゼラチン
推奨(任意)

表3 2026年4月時点。カシューナッツは義務表示へ、ピスタチオは推奨表示へ追加。[1][2]

どんな食品に、表示義務があるの?

表示が必要なのは、おもに「あらかじめ袋や箱に入れられた加工食品と添加物」です。スーパーやコンビニの棚に並ぶお菓子、パン、お弁当、お惣菜などが当てはまります。

一方で、ばら売りや量り売り、飲食店で出される料理や出前などには、法令上の表示義務はありません。ただし飲食店でも、別の場所で包装された商品を販売する場合は、表示が必要です。[2]

販売のしかたアレルギー表示義務例
あらかじめ容器包装原則、対象市販の菓子、包装済み弁当・総菜
ばら売り・量り売り対象外パンのばら売り、量り売り総菜
飲食店で提供対象外店内飲食、出前・デリバリー
別の場所で包装された商品を販売対象セントラルキッチン等から納品された包装済みの弁当・総菜

表4 「外食・中食」という呼び方だけでなく、販売時の包装状態と提供方法で判断します。[2]

小袋のお菓子は、どこを見ればいい?

大きな袋の中に小袋が入ったお菓子では、小袋を1つずつ売ることが想定されていない場合、外側の袋に表示があれば、中の小袋には表示がなくてもよいことになっています。小袋だけを人に渡すと、大事な表示が手元から離れてしまいます。外袋も一緒に保管して、必要なときに見せられるようにしておきましょう。[2]

小袋にはアレルギー表示がない場合がある旨の注意喚起のイラスト

表示を読むときの4つのポイント

  • 大袋と小袋:まず外側の袋を見ましょう。小袋に書かれていなくても、外袋に書かれていることがあります。
  • 小さな包装:表示できる面積が30cm²以下の小さな包装でも、アレルギー表示は省略できません。
  • 読み方:原材料ごとに「(○○を含む)」と書く方法と、欄の最後にまとめて「(一部に○○を含む)」と書く方法があります。最後まで確認しましょう。
  • 表示がすすめられている品目:20品目は任意の表示です。「書いていない=使っていない」とは限りません。

買うとき・食べるときに確認する順番

買うとき・食べるときは、次の4つの順番で確かめるとよいでしょう。

  1. STEP 1 原材料名を読む 欄の最後まで
    目を通す
  2. STEP 2 外袋も見る 別に貼られた
    ラベルも
  3. STEP 3 表示の対象範囲を確認する 義務9品目のみか/
    推奨を含む29品目か
  4. STEP 4 わからなければたずねる 作った会社や
    お店へ

まとめ

カシューナッツの表示義務化は、症例が増え、重い症状の報告もあることを受け、健康被害を減らすための改正です。とはいえ、準備期間(経過措置)があること、任意表示の品目があること、小袋には表示がないことがあることなど、表示には限界もあります。「書いてある・書いていない」だけで判断せず、売られている状態と表示の範囲もあわせて確かめることが大切です。

外食・中食での注意点は、次回以降のコラムでくわしく取り上げます。

ポルくん

ラベルにカシューナッツって書いてなければ、入っていないってことでいいのかな?

タルちゃん

そう決めつけないでほしいんだ。切り替えの期間中だったり、ばら売りや飲食店では表示のルールが違ったりするからね。

ポルくん

じゃあ、ラベルを見るだけじゃ足りないんだね。

タルちゃん

うん。原材料名を最後まで読んで、外袋も確認して、それでも分からなければお店や作った会社にたずねよう。

日ごろのチェックポイント

  • 原材料名の欄を、最後まで読んでいる
  • 大袋のお菓子では、外袋の表示も一緒に確認・保管している
  • 「必ず表示する9品目」と「表示がすすめられている20品目」のちがいを知っている
  • 「書いていない=入っていない」と決めつけていない
  • 分からないときは、作った会社やお店にたずねている

参考資料・出典

本文中の[番号]は、以下の資料に対応しています。[3]は学術誌に掲載された調査結果報告、そのほかは消費者庁の公開資料です。

[1] 食物アレルギー表示に関する情報 — 2026年4月の変更一覧 消費者庁で開く
[2] 加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック — 令和8年4月・対象範囲、個包装、品目一覧 消費者庁で開く
[3] 杉崎千鶴子, 髙橋亨平, 佐藤さくら, 柳田紀之, 海老澤元宏. 消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業」令和5(2023)年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果報告. アレルギー. 2025;74(3):167-172. J-STAGEで開く
[4] 第7回 食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議資料 — 木の実類・カシューナッツの推移 消費者庁で開く
[5] これまでの食品表示基準の改正概要 — 施行日と2028年3月31日までの経過措置 消費者庁で開く
[6] アレルゲンを含む食品に関する表示について — 令和8年4月1日事務連絡 消費者庁で開く
[7] 消費者庁「食品表示基準の一部を改正する内閣府令の公布について(くるみの義務表示化、2023年3月9日)」 消費者庁で開く

編集:2026年9月1日時点の消費者庁公表資料に基づく。法令・通知の最新情報は消費者庁ウェブサイトで確認してください。

関連情報

この記事の監修

アレルギーポータルは一般社団法人日本アレルギー学会が運営しています

最終更新日:

ポルくん タルちゃん

この記事のナビゲーター

ポルくん・タルちゃんは、アレルギーの情報をやさしく案内するナビゲーター役です。
これからも、むずかしいテーマをわかりやすくお届けしていきます。