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アレルギーについて

主なアレルギー疾患

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職業性アレルギー疾患

特徴について

職業性アレルギーは、職業性ぜん息、職業性アレルギー性鼻炎、職業性皮膚疾患、職業性アナフィラキシーなど、職業環境が原因で生じるアレルギー疾患を指します。原因が仕事と密接に関係することから症状をがまんしたり見逃されたりする場合が多くあります。職業性アレルギーを早期に発見して対策を行うことは極めて重要です。入社・転職、異動などでアレルギー症状があらわれるようになった場合は、職業性アレルギー疾患を疑ってアレルギー専門医に相談してください。職場環境での原因物質の除去や配置転換などで症状の悪化を防ぐことが可能となる場合が少なくありません。

症状について

有病率が高い職業は、パン製造業、麺製造業、医療従事者、動物取扱業、食品加工業などといわれています。パン製造業での職業性ぜん息や理容業の毛染め剤による職業性接触皮膚炎、医療従事者におけるラテックス、花・植木小売業や林業での職業性花粉症やハチ毒などによりアレルギー症状が生じます。最近はアレルギーの診療ガイドラインによる標準的な治療が普及して症状がコントロールされる場合が多いため原因物質の検索・回避がおろそかになっている例が多く、職場環境におけるアレルギーを検討していただきたいものです。

重症度について

ハチなどの昆虫やラテックスによるアレルギーは、アナフィラキシーやアナフィラキシーショックが生じることがあるため、呼吸しづらいなどの呼吸器症状、発汗・めまいなどの神経症状、じんましんなどの皮膚症状、吐き気・嘔吐などの消化器症状の全身症状があらわれたら直ちにアドレナリン自己注射薬(エピペン®)を用いて受診します。アレルギー疾患は合併することがあるため、自分のアレルギーの状態を把握することが重症のアレルギー症状を予防するために必要となります。

治療について

職業性アレルギー疾患の治療は基本的に個々のアレルギーの診療ガイドラインに準じて進められます。一方で、症状の程度や疾患によっては離職を余儀なくされる場合もあるため、転職・異動(配置転換)を含めて、十分な薬物療法などの医療的な対応と感作物質(アレルゲン)の回避により業務を継続できるかどうかを医師などに相談して、家族や企業の理解を求めることも重要となります。