アレルギー全般
原因となるアレルギー物質を調べるためにいくつかの検査があります。
さまざまなアレルギー物質のIgE抗体が血液中にあるか調べる検査です(IgE抗体については「アレルギーとは」の項目を参照してください)。
現在、IgE抗体が測定可能なアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因となる物質)は200種類以上あります。アレルゲンは1種類ずつ測定できますが、保険診療では1回に測定できる項目数に上限があります。また、1回に決められたアレルゲンを複数個測定できる試薬もあります。測定すると、それぞれのアレルゲンに対するIgE抗体の測定値とクラスという分類で結果が出ます。クラスは0~6の7段階で表記されており、クラス0が陰性、クラス1が偽陽性、クラス2~6が陽性と判断されます。
血液検査だけで調べることができるため簡便ですが、IgE抗体は症状がなくても検出されることがあります。症状がない場合は、アレルギーがあるとは必ずしもいえませんので注意が必要です。
皮膚にアレルギー物質が含まれるエキスを少量滴下して、専用の針で皮膚に小さなキズをつけてアレルギー反応を調べる検査です。アレルギーがある場合にはじんましんが出現します。
果物などの場合は果物に専用の針を刺して、そのまま皮膚に刺すことで調べることもできます(プリック to プリック テスト)。IgE抗体を直接証明できる検査ではありませんが、アレルギー物質に対しての反応を15分ほどで判定することができます。
パッチテストは、特に金属アレルギーなどの接触皮膚炎が分類されるⅣ型アレルギーがあるかどうかを調べるための検査です。専用のパッチテストユニットに試薬を添付し、皮膚に貼り付けます。48時間後にテープを外し、試薬の部分に発赤や水ぶくれができている場合は陽性と判断します。
ぜん息では呼吸の状態を評価するための呼吸機能検査(フローボリュームカーブ)や呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)検査、食物アレルギーでは食物経口負荷試験、アレルギー性鼻炎では誘発テストなどの検査があります。それぞれの検査については、病気の説明の項目を参照してください。