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食物アレルギー

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私は高校1年生です。中学生のときから、運動したときに目が腫れることがあり、食物依存性運動誘発アナフィラキシーではないかといわれています。どこで検査を受けることができますか。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、特定の食物摂取後の運動によってアナフィラキシーが誘発される疾患です。診断のためには「食物+運動負荷試験」がありますが、重篤なアナフィラキシーを生じる可能性がありますので、経験が豊富なアレルギー専門施設での実施が望ましいと思われます。

乳糖不耐症はアレルギーですか。

乳糖不耐症はアレルギーではありません。牛乳などには乳糖が多く含まれています。特に成人では、乳糖を十分に消化できず、下痢などの症状を引き起こすことがあり、乳糖不耐症と呼んでいます。これは免疫を介するアレルギー反応ではないため、アレルギーとは言いません。

血中食物抗原特異的IgG抗体検査とはどのような検査ですか。

保険診療外でそのような検査がありますが、米国や欧州、日本アレルギー学会および日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーにおけるIgG抗体検査は診断のときの有用性を公式に否定しています。その理由として、①食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体であること、②食物アレルギーを確定診断する食物経口負荷試験の結果と一致しないこと、③血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけであること、よって④血中食物抗原特異的IgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断して、陽性の場合に食物除去を指導してしまうと原因ではない食品まで除去しなければならなくなり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもあるから、とされています。

アニサキスアレルギーとはどのようなアレルギーですか。

アニサキスは、主にクジラやイルカなど海に住む哺乳動物の寄生虫の一種です。クジラやイルカといった生き物の体内から出された卵から生まれた幼虫はオキアミなどに寄生をして、次にそれを食べたサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。最後にそれらの魚やイカなどをクジラやイルカが捕食するというサイクルが繰り返されます。私たちが魚を食べて口にする可能性があるその幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。通常、非加熱の魚を摂取の際に、アニサキスが体内に入ることで生じるアニサキス症とは違い、アニサキスのタンパク成分に対するアレルギー反応によって、全身に症状を引き起こします。診断は血液検査などによって行います。

食物アレルギーにならないために、離乳食を開始するのを遅らせるほうがよいでしょうか。

食物アレルギーの発症予防を目的として離乳食の開始を遅らせることは推奨されていません。過去には、食物アレルギーになりやすい食品の摂取開始を遅らせることが望ましいと考えられた時期がありましたが、離乳食の開始を遅らせることで食物アレルギーの発症が予防できるという十分な証拠はありません。しかし、湿疹がある子どもでは、食物アレルギーの発症リスクが高いことが知られています。この場合もむやみに摂取開始を遅らせるのではなく、医療機関を受診して皮膚症状の改善を行い、離乳食の開始について相談しましょう。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

子どもは、生まれたあとに早くからスキンケアをしたほうがアレルギーになりにくいのでしょうか。

新生児期から保湿剤によるスキンケアを行うことで、アトピー性皮膚炎が予防できる可能性があることがわかってきました。スキンケアのみで食物アレルギーなどのアレルギー疾患を予防できるかどうかはわかっていませんが、乾燥や湿疹などの皮膚の症状がある場合には早めにスキンケアを行うとともに湿疹に対する治療も開始しましょう。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

妊娠中の食事で、生まれてくる子どものアレルギー疾患の予防のためによい食べ物はありますか。

子どものアレルギーを減らすために強く勧めることができる食事はありません。特定の食物を摂りすぎたり、避けたりすることなく、バランスのよい食事をこころがけましょう。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

卵などのように食物アレルギーになりやすいものは、妊娠中や授乳中は食べるのを避けたほうがよいでしょうか。

妊娠中や授乳中には、母親が特定の食べ物を避けることはせずに、バランスのよい食事を心がけてください。複数の研究結果から、妊娠中や授乳中の食事制限は子どものアレルギー疾患の発症を予防する効果がないことが示されています。さらに、過度な食事制限は、胎児や乳児の発育に悪影響を及ぼす可能性があることも指摘されています。その一方で、妊娠中に特定の食物を過剰に摂取することは、生まれてくる子どもの食物アレルギーの発症を促進する可能性があることも指摘されています。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

万が一災害に遭遇した場合に備えて、食物アレルギーの子どもを持つ親ができることは何でしょうか。

できれば1週間程度の食事ができるように、アレルゲンを含まないアルファ化米やレトルト食品、飲用水、アレルギー用ミルク缶などを用意して、定期的に食べて買い換える回転備蓄を心がけます。また、安全に食べられる範囲を確認して日常的に食べていれば、わずかな混入を心配する必要がなくなります。緊急時に使用する薬の持ち出しや、ご近所、避難所の方たちに食物アレルギーを正しく認識してもらうことも大切です。

食物アレルギーによる症状には、どのようなものがありますか。

約90%に皮膚症状が、約30%に呼吸器症状や粘膜症状があらわれます。食後2時間以内にあらわれることが多く、複数の臓器に症状があらわれた状態をアナフィラキシーと呼びます。さらに血圧低下や意識障害を伴った状態をアナフィラキシーショックと呼びます。アナフィラキシーやアナフィラキシーショックは生命に関わる危険な状態であり、アドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)の使用や救急搬送など迅速な対応が求められます。