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よくある質問

アレルギーに関する
質問をまとめています。

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アレルギーを知ろう! / Q&A

アトピー性皮膚炎(湿疹)、じんましん、接触皮膚炎

アトピー性皮膚炎は治りますか?

アトピー性皮膚炎を短期間では治すことはできませんが、正しい治療を、時間をかけて継続することで、アトピー性皮膚炎の症状が出ない状態を目指すことができます。アトピー性皮膚炎の治療の最終目標(ゴール)は、正しい治療を行うことで、症状がないか、あっても軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持することです。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

アトピー性皮膚炎はステロイドが原因ですか。

アトピー性皮膚炎は、「アレルギーになりやすい体質」と「皮膚のバリア機能異常」が原因です。ステロイド外用薬が原因ではありません。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は何が違うのですか?

アトピー性皮膚炎は、乳児湿疹と別の疾患ではなく、乳児湿疹の1つです。乳児湿疹は、赤ちゃんの肘窩(ちゅうか:ひじの裏側のくぼんだところ)や膝窩(しっか:ひざの裏側のくぼんだところ)などの屈曲部、頬部(きょうぶ:顔のほほ)、四肢(両手、両足)の外側などに、おおよそ左右対称にかゆみのある皮膚の湿疹(皮疹:ひしん)ができている状態をいいます。症状が長引くときは、アトピー性皮膚炎の可能性が高くなります。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

ステロイド外用薬を使わない医師はいますか。

独自の治療法を考え出して推奨する医師がいますが、正しい根拠に基づいている治療法とはいえない場合があります。医師だからと鵜呑みにせず、皮膚科専門医の標準的な治療を受けてください。

ステロイド外用薬は生涯にわたって続けなければなりませんか。

アトピー性皮膚炎に適切な治療をすることでステロイド外用薬をやめることができる人はたくさんいます。ステロイド外用薬で炎症がなくなれば、保湿剤だけでコントロールすることもできるからです。ただし、さまざまな原因で再び炎症が生じれば、治療で必要になります。

ステロイド外用薬を塗るのをやめるとリバウンドで症状がひどくなりますか。

ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の炎症を抑えますが、まだ炎症が残っているのにステロイド外用薬をやめてしまうと炎症がぶり返すことがあります。皮膚の下の炎症まで十分に治療すれば、ステロイド外用薬をやめても、すぐに悪化することはありません。やめるかどうかは自分で判断せず、医師の指示に従ってください。

プロアクティブ療法とはどのような治療法ですか?(ステロイド外用薬の安全な使用方法とは?)

プロアクティブ療法とは、ステロイド外用薬を使用して皮膚をつるつるの状態にしてから、薬の使用回数を減らしていって、副作用を最小限におさえる方法です。ステロイド外用薬によって皮膚の炎症をしずめて、見た目がつるつるになった後も、数日に1回(週に2回など)ステロイド外用薬を予防的に使用することで、つるつるの状態を長期間維持する方法です。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

ステロイド外用薬を長期間使うと、強いランクの薬でもだんだん効かなくなるのですか。

長期間にわたって使用しても、ステロイド外用薬の効果が得られなくなることはありません。アトピー性皮膚炎の炎症の強さに見合ったステロイド外用薬を使わないと、塗っても効かないと思うことがあるかもしれません。医師に皮膚症状を見せて、適切な強さのステロイド外用薬を選ぶことや正しい塗り方を教えてもらうことが必要です。

ステロイド外用薬が原因で皮膚が黒くなることはありますか。

ステロイド外用薬を塗ることで皮膚が黒くなることも、固くなることもありません。適切な治療をせずに炎症を長引かせてしまうことにより、色素沈着が生じて皮膚が黒くなることがあり、さらに、ゴワゴワとした固い皮膚(苔癬化:たいせんか)になることがあります。

ステロイド外用薬を使うと、ステロイドは体内に蓄積しますか。

ステロイド外用薬が体内に蓄積することはありません。外用薬は皮膚で効果を発揮するもので、体内に吸収されることはほとんどありません。たとえ傷口から血液中に入った場合でも、代謝されてしまいます。

アトピー性皮膚炎の外用薬を塗るとき、量のめやすはありますか。

成人の両方のてのひらの面積と同じ広さの部位に塗る外用薬の量は、約0.5gがめやすであるといわれています。これは、口径5mmの外用薬のチューブの場合で、人差し指の先端から第1関節部までの長さを押し出したときの量に相当します。わりと多い量に感じるかもしれませんが、すり込むようにして塗るのではなく、十分に乗せるように塗るのがコツです。

保湿剤と外用薬の塗る順番を教えてください。

塗る部位や塗る人の手を清潔にして表面の水分を拭き取ったら、保湿剤を塗るのが一般的です。入浴後などであれば皮膚に水分が多く含まれている状態なので、保湿剤を塗ることで、皮膚の乾燥をより防ぐことが期待できます。保湿剤は、患部だけでなく全身に使用しましょう。ただし、医師から指示を受けている場合や塗る順番が処方箋に記載されている場合は、それに従ってください。

子どもは、生まれたあとに早くからスキンケアをしたほうがアレルギーになりにくいのでしょうか。

新生児期から保湿剤によるスキンケアを行うことで、アトピー性皮膚炎が予防できる可能性があることがわかってきました。スキンケアのみで食物アレルギーなどのアレルギー疾患を予防できるかどうかはわかっていませんが、乾燥や湿疹などの皮膚の症状がある場合には早めにスキンケアを行うとともに湿疹に対する治療も開始しましょう。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

乳幼児期の紫外線対策について教えてください。

過剰な紫外線にさらされることは、将来の皮膚の健康や美容にさまざまな悪影響が生じるといわれていますので、適切な紫外線の対策を行いましょう。太陽光の紫外線を過度に浴びると、しわやしみなどの皮膚の老化を早め、さらに将来の皮膚がんの発生、そして白内障や翼状片(よくじょうへん:目の白い部分の表面である結膜が黒目の部分に入り込んでくる状態)などの目の病気が起こりやすくなるため、太陽光を浴び過ぎて強い日焼けをしないように心がけることが、健康で過ごすために大切と考えられています。また、アトピー性皮膚炎では急激な日焼けが皮膚炎を悪化させることがあるので、予防のために強い陽射しを避けます。一方で、紫外線は丈夫な骨をつくるビタミンDの生成に必要ですので、過度に心配するあまり外出を控え過ぎるのも好ましくありません。青空と陽光のもとでの適切な活動を心がけましょう。(参考:「小児アレルギー疾患保健指導の手引き」より)

子どもがイヌアレルギーですが、イヌを飼えますか。

ペットの抗原(アレルゲン)は、ネコやイヌなどが家の隅にいても、家中に拡散して存在するといわれます。自宅で飼うと、接触するようにもなりますので、アトピー性皮膚炎がある場合は悪化することなどが考えられます。ペットは飼わないほうがよいでしょう。

じんましんはどんな病気ですか。

じんましんは、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたもなく消えてしまう病気です。多くはかゆみを伴いますが、チクチクとしたかゆみに似た感じや焼けるような感じを伴うこともあります。個々の皮疹(ブツブツや赤み)は数十分間から数時間以内に消えるのが普通ですが、なかには半日から1日中続くこともあります。症状が激しい場合には次々と新しい皮疹が出没し、常に皮疹があらわれているように見えることもあります。膨疹(皮膚の盛り上がり)の大きさは1~2mm程度から手足全体に及ぶくらいのものまでさまざまで、時には一つひとつの膨疹が融合して体表のほとんどが覆われてしまうこともあります。

ゴム手袋をした部分が赤くなり、病院でラテックスによる接触皮膚炎と診断されました。レストランなどでゴム手袋をして調理師が触った食品を摂取しても大丈夫でしょうか。

ラテックスによる接触皮膚炎の場合には、ほとんど問題ありませんが、ラテックスアレルギーでは、ゴム手袋に付着したパウダーが調理した食品に混入する場合などに注意が必要です。