1)ステロイド外用薬
(1) 薬の特徴:ステロイド外用薬は薬の中で最も効果的に炎症を抑えます。①ストロンゲスト、②ベリーストロング、③ストロング、④ミディアム、⑤ウィークと、強い順に①から⑤まで5つのランクに分類されています。剤形は、外用薬、クリーム、ローション、テープがあります。髪の毛のある頭部にはローションが塗りやすく、外用薬のべとべと感が嫌いな人にはクリームが使われることがあります。ローションを顔や体に塗っても構いません。テープ剤はひび割れや皮膚表面が固くなった部位に使われることがあります。
(2) 塗り方:人差し指(第2指)の先端から第1関節部まで口径5mmの外用薬チューブから押し出された量(約0.5g)が成人の手掌(てのひら)2枚分で成人の体表面積の2%に対する適量です。たとえば、子どもに成人の手掌で5個分の皮膚症状があれば、1日に1回塗るとして4日間で5gチューブを1本使用します。塗り始めて3~4日で赤みやかゆみが治まりますが、赤みが取れても指でつまんで硬いところは柔らかくなるまで(医師の指示にしたがって)10日から2週間くらい、さらに塗ります。
(3) 副作用:ステロイド外用薬を医師の指示にしたがって適切に使用すれば、内服薬で生じることがある副腎不全、糖尿病、成長障害などの全身的な副作用はありません。局所的な副作用としてはステロイド紅斑(こうはん)や皮膚萎縮(いしゅく)などが生じることはありますが薬の中止や適切な処置により回復します。アトピー性皮膚炎で認められる色素沈着は炎症が鎮静して生じるもので、ステロイド外用薬が原因ではありません。