1)1次予防(未だラテックスアレルギーを発症していない方):
ラテックスアレルギーを発症した場合、天然ゴムを回避して生活する必要があります。以下の①~③のようなラテックスアレルギーを発症しやすい方は、できるだけ天然ゴム成分(ラテックス)に触れないように心がけ発症しないようにすることが何より重要です。医療用具には天然ゴム成分が含まれていることの表示が義務づけられていますので、医療機関を受診するときは医師・看護師に伝えて医療用具を選んでもらうようにします。
① 医療従事者
かつては手袋など医療用具の多くに天然ゴム製品が用いられていたため、天然ゴム製手袋を頻回に使用する医療従事者では発症する人が多かったのですが、最近はラテックスアレルギーの原因となるタンパク質量が低下した「パウダーフリーラテックス手袋」や天然ゴム成分を含まない「ラテックスフリー(パウダーフリー)」の製品が製造されて、それらの普及とともに発症する人が減ってきています。
② アトピー体質を持つ人
アレルギー反応が生じやすい人はラテックスアレルギーを生じるリスクが高く、特にアトピー性皮膚炎の患者さんが多い傾向があります。また、前述のラテックス-フルーツ症候群のように、ラテックスは、バナナやアボカド、キウイフルーツ、クリ、トマト、パパイア、ポテトなどの植物性食品のアレルギーとも関連性があることから、これらの食物アレルギーがある人も注意が必要と思われます。
③ 頻回に医療対応が繰り返された人
生後間もなくから繰り返し手術を受けるなど、天然ゴム製の医療用具を長期的に使用せざるをえない患者さんも、皮膚や粘膜から感作されるリスクが高く、ラテックスアレルギーの発症率が高い傾向にあります。最近は医療従事者の場合と同様にラテックスフリー(パウダーフリー)製品の普及で減ってきています。